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高知市百石町にある一次診療施設です

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もっと乳腺腫瘍と戦うぜ!!

 戦うぜ!!シリーズ第2弾はさらに乳腺腫瘍と戦います。ネコちゃんの乳腺腫瘍についてあまり言及していなかったので、今回はネコちゃんの乳腺腫瘍を中心に戦います。今回もオーナー様が理解しやすい感じに書いていきたいと思います。ネコの乳腺腫瘍との日々の格闘の様子を感じていただければと思います。

君はなぜそこまで悪なんだ!!

 はじめに知っておいていただきたいのが、ネコの乳腺腫瘍は悪いものです。良性の乳腺腫といったものはあまりありません。犬の乳腺腫瘍と同じ感じに捉えてはダメな腫瘍です。9割が悪性といっても過言ではありません。とにかくワルのネコの乳腺腫瘍はその振る舞いも悪そのものです。
 そのワルぶりは、振る舞いからもよくわかります。やたら周辺の組織をぶっ壊していきます。どっかんどっかんやっちゃいます。組織を壊して破裂させるといった無軌道ぶりです。さらに、わざわざ遠くにまでぶっ壊しに出かけます。いわゆる転移というものです。勘弁して欲しいです。よって、悪の限りを尽くす前、小さな悪の時になんとかする必要があるといえます。ネコの乳腺腫瘍の場合、数ミリでもコリっとしたものを見つけたら早急に切除を考えるのをおすすめします。乳腺腫瘍はネコであるほど治療しなきゃいけない腫瘍なんです。

どんなのが特にわるいのかな?

 ネコの乳腺腫瘍がどれくらい悪いかを予測する因子、難しく言うと予後因子がいくつかわかってます。その中でもオーナー様に分かりやすいものを挙げます。一つは大きさです。犬でも、ネコでも乳腺腫瘍は大きいものであるほど悪いものである、予後が悪いと言うことができます。オーナー様が見て、「うわ、でかい」と思ったらそれはかなりの悪です。かなり大きくなった乳腺腫瘍をコントロールすることは非常に難しくなります。

ネコちゃんに特徴的な所見


 ネコちゃんの乳腺腫瘍で私自身もよくみるのが、腫瘍が大きくなりすぎて割れて、化膿して臭いを放っているものです。最初に書きましたがネコちゃんの乳腺腫瘍は組織破壊性が強く、周辺組織をぶっ壊していきます。その結果、早期に腫瘍の中心部が壊死して割れて、潰瘍を形成します。犬よりも全然はやい段階で腫瘍が割れてしまいます。そうすると、臭いがでて管理に困るので、そこではじめて来院されるオーナー様が多数おられます。そこまでいくと治療も難しくなってきます。
 ネコちゃんの乳腺腫瘍の予後因子としてこの潰瘍の有無というのが挙げられます。
潰瘍のあるものはないものより予後が厳しいのが現状です。そこまで大きくなる前に病院を受診していただくことをおすすめします。ネコの乳腺のしこりをまだ小さいからとなめてはいけません

治療は臨機応変に!

 とにかく悪いネコの乳腺腫瘍ですが、その治療は臨機応変にやっていく必要があります。ただただ外科で切ればいいというものではなく、ネコの年齢、全身状態、オーナー様の考え方、治療目的といった様々な因子を考慮して治療を決定します。高齢のネコちゃんの場合どうしても腎不全の問題が出てくるのも難しいところです。乳腺腫瘍の外科切除後、腎不全が悪化したという例もあります。
 比較的若いネコちゃんで遠隔転移のない場合やアグレッシブに腫瘍を退治したい場合は積極的な外科をおすすめしますが、遠隔転移があったり、高齢の場合は緩和目的(一時的に生活の質を向上させる)で腫瘤のみ切除ということもします。逆に、腫瘤を下手にいじらない、患部の保護のみということも私はします。かなり高齢のネコちゃんで完全に腫瘍が割れている場合などがその例です。その方が結果的にネコちゃんにとってよいということもあります。
 唯一、言えるのはとにかく
数ミリ単位で発見していただいて外科的に切除するのを検討した方がいいということです。乳腺腫瘍は小さいほど予後がよいのです。個数や位置はそれほど予後に相関していません。

若いネコちゃんの場合はガンじゃないことも!

 とにかく悪い!悪い!書いてきたネコちゃんの乳腺腫瘍ですが、乳腺腫瘍と似たような感じの病変でも腫瘍じゃないこともあります。これは線維上皮性過形成という良性病変です。炎症を起こしたり、表面が壊死したりしてガンと見間違うこともあります。
 線維上皮性過形成の原因はホルモン異常です。若いネコちゃんで発情後1〜2週後によく見られます。結構、派手な病変を作るために「ガンかも?」と思うかもしれませんがガンではありません。避妊手術をしてしまえば退縮していきます。必ずしも外科切除が必要ではないので、若いネコちゃんで発情がこの前きてたなと思ったら、この線維上皮性過形成も頭に置いておいた方がいいと思います。

まとめ

 ネコちゃんの乳腺腫瘍は特に悪いものが多いので日頃から要注意で観察する必要があります。毛をかきわけて乳首のあたりを日頃からチェックして、小さいコリコリがないかなっと探していただければ早期発見につながります。ただ、若いネコちゃんの場合は線維上皮性過形成というガンに似ている所見の良性病変もあります。なにかお悩みのことがあれば気軽に当院にご相談ください。


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