先日、眼の不具合を主訴に来院されたワンちゃんが来られました。眼は重度の結膜炎でした。ところがただの結膜炎ではなく、よく観察すると角膜の表面に白くて長い虫体を発見しました。
眼虫によって引き起こされた結膜炎
でした。この虫が東洋眼虫かどうかは虫体の同定をしていないので確定ではないと思うのですが、おそらく東洋眼虫だと思います。
眼の中に虫が動いているというのは衝撃的な感じですが、このような虫体を私は年に数回は診察します。ちっちゃなハエを媒介して感染する寄生虫病です。なかなか治らない結膜炎という主訴で診断されるワンちゃんも多いと思います。私の中では、犬の結膜炎、流涙の鑑別診断リスト上位に眼虫があったりします。
虫体は、まぶたの奥に隠れていることも多いですが、オーナー様でもよく見たら発見できることもあると思うので、動物の眼がおかしいと感じたらよく眼を観察してみるとよいと思います。
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ワンちゃんの場合、ちょうどフィラリアのお薬を飲んでいない1月から3月に多いように感じます。フィラリアを通年予防することは、眼虫予防にも効果があるのかなとも思います。
室内で主に飼われているワンちゃんでもみることがあるので、外に出ないから大丈夫というわけでもなさそうです。
治療は、点眼麻酔をして虫体を取り除くことが柱です。虫体がいなくなると、回復する例がほとんどです。
もし、眼に白い虫を発見したら、かかりつけの動物病院を受診してください。そして、眼に寄生する虫が存在することを知っていることも大切だと思います。