前回のおたより、イヌの心臓エコー検査の補足的な内容で、かなりペラペラな薄い内容になりますが、当院の心電図検査も付け加えておきます。こういう検査もしてますよ的な記事になります。
↑当院の心電図マシン。タッチパネル式になります。
そもそも、ワンちゃんネコちゃんを保定して横に寝てもらって、1分2分3分4分と安定した心電図を病院でとること自体がかなり難しいです。途中で心電図にノイズが入ったり、電極が外れたりということもよくあります。しかし、心臓の状態を多面的に捉える上で必要と思い心電図検査をしています。
↑心電図測定中はリアルタイムで画面に心電図がでます。集中して観察します。
心電図検査の主な目的は不整脈の確認・検出です。ワンちゃんに多い僧帽弁閉鎖不全ですが、それに併発して不整脈を生じる場合もあります。心臓が大きい、小さいという心臓の形態的な変化も理論的には心電図で検出できるのですが、私はほとんど心電図ではそれを見てません。エコーやレントゲンのほうがよっぽど正確だと思うからです。心電図は不整脈の検出目的が主となります。
↑感熱紙にプリントされます。オーナー様への説明に使うこともあります。
当院の心電図マシンは、心電図の自動解析もできて、心電図計測、不整脈の判断、治療薬も自動で診断・評価できるのですが、私はあくまでも参考程度に捉えています。きちんとリアルタイムの心電図を自分でよく見て自分の頭で判断をするようにしています。
当院では24時間ホルター心電図の検査はまったく実施していないので、すべての不整脈をきちんと拾うことができないのが当院の大きな欠点だとは思っています。
ここでは一つ一つの不整脈の説明は割愛しますが、すくなくとも限られた検査中の不整脈があるとないのとではその後の対応・治療も変わってくると思うので、心臓の検査で心電図検査も行うことに意義はあると私は思います。私は診断・治療にいたる多面的な見方をいかなる疾患でも大切にしています。