ただのお知らせに近い内容になります。
当院では、犬のフィラリア予防注射を5月まで実施の予定でしたが、引き続き6月も実施しております。5月下旬に作成した薬剤にまだ余裕があるためです。
↑もう何度も登場しているプロハートさん。ドロッとした薬剤のため注射の準備に多少時間かかります。
このフィラリア予防注射薬剤を有効期限内で使い切るまでは予防注射を実施いたします。
おそらく6月いっぱいは実施できるかと思いますので、当院で犬のフィラリア予防注射を検討されているオーナー様はできれば6月中にご相談ください。
もう今は6月中旬になりますが、まだまだフィラリア予防注射に限らず、今シーズンの飲むお薬などのフィラリア予防薬の処方も多くさせていただいております。
昨シーズンフィラリア予防をしなかった場合、ところどころ予防し忘れた場合など様々なケースでフィラリア感染の有無を調べる血液検査も処方と並行して実施させていただいております。
当院では犬フィラリア症診断、感染有無の検査には、ミクロフィラリアの検出と抗原検査をおこなっています。
かんたんにいうと、ミクロフィラリアは大人のフィラリアの子どもです。当たり前ですが、ミクロフィラリアは、オスとメスの大人のフィラリアが寄生していないと存在しません。
血液中にミクロフィラリアがいないからといって、感染してないとはいいきれません。オスだけが心臓に寄生してた!というときなどはミクロフィラリアを検出できません。
ミクロフィラリア陰性の場合、より感染の有無をはっきりさせるために、抗原検査もおこないます。
↑当院で使用している抗原検査キット。血液スポイト1滴と、黄色いキャップのボトル液2滴で迅速に診断できます。1滴2滴なので覚えやすいです。
抗原検査までおこなうと、100%というわけではないけれど、かなりの確率で犬フィラリア感染有無の確認を明確にできます。
↑陰性の場合。抗原陰性だと赤い線が1本でます。Tのところに赤い線がでると陽性になります。判定時間経過した後、見逃しのないようによく結果を観察します。
さすがになにも臨床症状のないワンちゃんに、心臓内、肺動脈内にほんとにフィラリアがいないかな?とミクロフィラリアの検出と抗原検査に加えて心臓エコー検査… そこまではしていません。
ということで、犬フィラリア症は必要に応じてフィラリア検査もしながら、確実に予防していきましょう。
では、いつもしつこくフィラリア予防を推奨するのはなぜか?
かんたんにいうと、
フィラリアに感染、犬フィラリア症を発症して重症化すると治療の選択肢がほとんどないからです。大切なワンちゃんの命に直接関わる病気だからです。
これほど恐ろしい犬フィラリア症でありながら、これまでの多くの研究者、臨床家などの尽力により確実な予防法が今は存在するのです。
先人の方々への感謝を胸にこれからも犬フィラリア症・予防に向き合っていきたいと思います。