ここでは、表だっては活躍しないけれど裏でコツコツといい仕事をしてくれる地味な仕事道具を紹介していきます。通常は決して紹介されない道具ですが、いつも縁の下で病院を支えてくれています。
リニューアル前のホームページに掲載・連載していた記事ですが、セルフカバー、アップデートしてもう一度復活させます。
その① 眼のモデル
えっ何?眼?眼のモデル?と思うかもしれません。個人的に愛用している眼のモデルです。目の病気を飼い主様に説明するに当たってこの道具はいつも大活躍してくれています。
当院の眼科診療のかなり重要な部分を担っている道具です。
百聞は一見に如かず!とはまさにこのことで眼の病気は言葉だけで説明するより眼のモデルと共に説明した方が100倍よく理解していただけると私は感じています。
↑眼のモデル実物。個人的にはファミコンソフト「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」で小学生当時に苦戦したボス「バックベアード」を思い出します。眼を閉じたときに当たり判定が無効に…。微妙にコウモリみたいの飛んでくるし…。あの緑のカセットが懐かしいです。
ワンちゃんもネコちゃんも眼の病気には様々なものがあります。
結膜炎、強膜炎、緑内障、白内障、ブドウ膜炎、眼底の疾患などなど多くの眼の病気を説明するにあたって、獣医師としてどこがどうなって悪くなっているのかを分かりやすくオーナー様に伝えなければいけません。
言葉だけではなかなかすべてを伝えるのは難しく感じることもあって、私は眼のモデルを使用して説明するようにしています。
この眼のモデルの最大の特徴は、分解することにより、角膜や水晶体、眼底などをすべてわかりやすく見せてくれる所です。
↑モデルを分解すると、けっこう細かく眼の内部を再現しているのが分かります。
どこに炎症があるのか、角膜のどこにキズがあるのか、このままだとどこにまで障害が生じるのかなど、あらゆる「どこ?」に対して明確なプレゼンテーションをできます。
白内障の説明にあたって、白濁の具合、部位で何種類もレンズの模型を用意してくれています。いま、眼のどこの部分に問題があるんだということを私の口以上に説明してくれます。
↑様々な水晶体レンズも搭載。けっこう重量感もあってよくできているレンズです。
一見むずかしそうな眼の構造・病気をわかりやすく表現してくれるこの道具は眼科疾患の名プレゼンターです。