イヌの皮膚組織球腫

 前回2022年1月23日の病院おたよりでイヌのFNAと細胞診←要クリックを紹介した時に、説明が足りなかった気がしたので補足させていただきます。

 犬の皮膚組織球腫のことを記事の後半でサラリと書いているのですが、サラリすぎて皮膚組織球腫がなんなのか?読者の方にはよくわからなかったのではないかと思いました。

ということで

 犬の皮膚組織球腫とはどんな腫瘍なのか?私なりにかんたんに紹介させていただきます。

私が思う犬の皮膚組織球腫の10のコト

①犬の体表によくできる印象を持つ腫瘍

②良性の腫瘍として分類されます。転移はありません。

③比較的若齢の犬(ヤングワンちゃん)に発生

④円形でドーム状の病変。表面が真っ赤というのも多い。

↑当院での皮膚組織球腫の症例です。こんな感じで体幹にできて急速増大してきて来院されるオーナー様が多いです。やっぱりヤングワンちゃんが中心です。

⑤急速に大きくなってビックリするが、1~2ヵ月、長くて3ヵ月程度で退縮

→単発でポ~ンとできると素直に退縮していくことが多い。…気がする。

⑥独立円形細胞腫瘍に分類される仲間でFNAからの細胞診で診断可能

→診断のために必ずしも切除生検を必要としない。

⑦ヤングワンちゃんで腫瘤の見た目が似てるからといって皮膚組織球腫や炎症と決めつけるのは危険かな?…と思う。

→似たような病変に肥満細胞腫などもあるためFNAからの細胞診で確認することの意義は大きいように思います。

⑧治療なしで経過観察もあり

→経過観察するのも治療の一つ

→私の場合、状況に応じて腫瘤局所にコルチコステロイド系の薬を注射することもあります。

⑨切除すれば根治するが、そこまで必要かな?と悩む

→腫瘤ができた場所や多発しているのか?再発なのか?などいろいろ考えて外科切除するか決定します。

→腫瘤の自壊・感染・出血が激しい場合、増大傾向が強い場合も外科切除を検討します。

とはいえ、

➉私の経験上、素直な病変であればFNAからの細胞診からの経過観察で退縮する例が多いと思います。

→逆に言うと「これは素直じゃないな」とピン!っと思ったら、プラスαで治療選択肢をオーナー様に提示いたします。

 今回は犬の皮膚組織球腫の紹介でしたが、犬の体表にできる腫瘤(しこり)には様々なものがまだまだあります。

 なにか気になるワンちゃんの体表のしこりを発見した場合は是非近くの動物病院やかかりつけの動物病院に相談してみてください。

2022年01月26日