イヌとネコのちゅ~るポケット活用例

ワンちゃんでもネコちゃんでも、日々の投薬はけっこう難しかったりします。

普段の食事に薬を混ぜたらかんたんに薬を飲んでくれる動物もいますし、

薬を避けて食事だけ食べてしまい、結局投薬できない動物もいます。

チーズやささみに薬を包んで投薬しているオーナー様もいます。実効性が高く非常にいいアイデアなのですが器用な動物の場合、薬だけをお口から出してしまうこともあります。

そんなこんなで、

私が獣医師として必要なお薬を毎日処方しているなかで

「お薬飲ますのが大変!」という声を聞くことがあります。

私としても、投薬を簡単にするために

・いろいろな投薬補助食品を試す

・薬の種類を厳選する

・粉剤にしてみる

ここでは書ききれない程にいろいろやってきました。

ちゅ~るポケットを投薬に活用

このような試行錯誤を続けている中、

いなばさんから動物病院専用のちゅ~るポケットが発売されたので早速当院でも採用・使用してみることにしました。

動物病院専用 ちゅ~るポケット

↑動物病院専用のちゅ~るポケットは三角形のパッケージです。犬用がとりささみ。猫用がまぐろになっています。いなばさん自慢の新鮮材料で製造されていると思います。

動物病院専用 ちゅ~るポケット

↑ちゅ~るポケット動物病院専用の印。一般市販品と比べて組成が違うようです。たぶん、乳酸菌配合やリン・ナトリウムの配合が市販品とは違うと思います。「いなば」といえば私の中では浩志さんなのですが、スタッフの一人に聞くとアインシュタインさんらしいです。自然な感じで絶妙なボケをしてくれるスタッフが当院の誇りです。

ちゅ~るポケットは外側はふっくら生地、内側はちゅ~るという投薬補助おやつです。

ちくきゅうのキュウリ部分がちゅ~るになったような構造といえばわかりやすいかもしれません。

猫用のちゅ~るポケット

↑猫用のちゅ~るポケット。重量は1個0.84gでした。1パック10gなので猫用1パックには約12個入りだと思います。ネコちゃんが喜びそうな匂いがします。

犬用のちゅ~るポケット

↑犬用のちゅ~るポケット。重量は1個1.05gでした。1パック10gなので犬用1パックには約10個入りだと思います。猫用より一回り大きい印象でした。

内側のちゅ~る部分に錠剤をうまく潜りこませて、薬の匂いも形も隠してしまうという画期的構造をもった製品です。

ちゅ~る部分に錠剤が気持ちよくめり込んでいく感触もよく考えられていると思います。

猫用のちゅ~るポケット 薬

↑猫用のちゅ~るポケットにプレドニゾロン5mgを埋めてみました。けっこういい感じで薬がちゅ~るに埋め込まれます。完全に薬をマスクすることができます。

「外側と内側で触感が違う」

というところが過去の投薬補助食品との違いかなと思います。

ちゅ~るポケットには犬用と猫用がありそれぞれ風味が違います。

一般市販品と動物病院専用品の違いは中身の組成にあるようです。

ノーマルちゅ~るを考えれば嗜好性は問題ないだろうと思っていましたが、

案の定

薬をちゅ~るポケットに隠したとしてもその嗜好性はすごかったです。

ちゅ~るポケットを試しに使用していただいたオーナー様のお話では、

「すごかったよ!」

ということです。

細かいお話を割愛したので具体性皆無になりましたが…。

 ちゅ~るポケットを動物病院で別途購入しなければいけないというところはありますが、投薬にいつも苦労されているオーナー様であれば一度試してみてもいいんじゃないかな?と思います。

 注意点としてちゅ~るポケットに薬を隠す時は必ず絶対動物の見てないところでしてください。ワンちゃんでもネコちゃんは、ほんとにすべてをよく見ています。

化学療法にもちゅ~るポケットを活用

 当院では錠剤タイプの抗がん剤や分子標的薬を使用することがよくあります。このような薬は、通常の薬と違って催奇形性や発がん性を有していることもあり調剤者や投薬者の薬剤被曝を最大限回避する必要があります。

同時に

確実な一発投薬が求められます。
~投薬を失敗して薬を口からこぼしたりすると薬剤被曝の可能性が高まってしまいます~
~抗がん剤や分子標的薬はお薬代が高いものが多いことからも投薬失敗は避けたいところです~

ちなみに

抗がん剤を投薬しやすいように粉にしよう♪など原則絶対ダメです。
~薬剤被曝の可能性がめちゃくちゃ上昇します~

これまで一般薬以上に様々な工夫をしながら経口タイプの抗がん剤を投薬してきました。

その工夫の一環として

先日ちゅ~るポケットを使用して抗がん剤を投薬してみたら革命的に楽になりました。

 ちゅ~るポケットを使用すると今までの苦労が嘘のように一瞬で確実な投薬ができます。ちゅ~るポケットに抗がん剤や分子標的薬を埋め込む時の被曝に気を付ける必要はありますが、実際の投薬はパクっと瞬間・確実に投薬可能です。

嗜好性が恐ろしいほどに高いことが逆に不安になるくらいです。

薬の匂いもかなりマスクしているように感じます。

確実な一発投薬にかなり貢献する製品だと思いました。

化学療法におけるちゅ~るポケットの活用として投薬補助だけでなくご褒美的な使い方もできると思い始めました。

化学療法に伴う検査、処置、点滴などをがんばったご褒美としてのちゅ~るポケット

過去にいろいろ試した中で、

ちゅ~るポケットがちょうどいい量のためにご褒美向きだと思いました。

なんでご褒美がいるの?と思う方もいるかもしれませんが

化学療法を継続するにあたってご褒美は非常に重要になります。

ワンちゃんネコちゃんに病院のことを好きになってもらうこと

は、化学療法の円滑な継続のために絶対必要不可欠なことです。

「毎週病院に来るのがちょっぴりワクワクする」

とワンちゃんネコちゃんに思ってもらえたら長い治療期間も乗り越えられると思います。

 リンパ腫の化学療法、とくに多剤併用化学療法の場合、治療期間がとにかく長くなります。再燃時の治療・レスキュー治療なども考慮すると長くて2年にわたって治療することもあります。

 リンパ腫診断時にはぐったりしていた動物も治療して完全寛解すると元気いっぱいになります。健康な動物となにも変わらないといっても過言ではない状態にまで回復します。

 元気いっぱいのワンちゃんネコちゃんが毎週(隔週もある)化学療法やモニタリング検査のために通院することはストレスそのものだと思います。

「こんなに元気なのになんで毎週病院に来て採血や点滴や投薬されなきゃいけないんだろう?」

動物の気持ちを代弁するとこんな感じなのかなと思います。

そんなストレスの中で通院が嫌になって病院を嫌いになってしまうこともあります。

そうなると、

ワンちゃんネコちゃんが時に院内で暴れたり、様々な処置・点滴・採血を嫌がったりで治療を円滑にすすめられなくなることがあります。

要するに

治療継続に困難を生じます。

そうならないように、

闘病中の動物が少しでもワクワクするようなウエルカムな体制・雰囲気をスタッフ全員で整えています。

それは言葉であったり動物への接し方であったりします。

さらにワンちゃんネコちゃんが喜ぶご褒美があったらいいなと思っていた時にちゅ~るポケットが現れました。

つらい治療中のちょっとしたワクワク感

のための

ちゅ~るポケットの使用

…あると思います。

 ちゅ~るポケットが体にいいものなのか?健康への影響は?抗がん剤治療中に与えて大丈夫なの?という意見もあるかとは思いますが、

「体にいいか?」よりも「心にいい!」

ということも時には必要かなと思うので

これからは、化学療法でちゅ~るポケットの力を借りていこうかなと思っています。

なんだかんだいって、

やっぱり人間も動物も広い意味での嗜好品って好きですよね♪

2022年07月27日