ネコの糖尿病

ネコちゃんの血糖をかんたんに測ります!

 当院でも、糖尿病に罹患する猫ちゃんやワンちゃんを診察する機会が大変増えています。

 獣医師が猫ちゃんやワンちゃんを糖尿病と診断して、その治療選択肢の中でインスリンによる治療をオーナー様が望まれた場合、インスリンの導入をはじめます。

 インスリンを猫ちゃんに注射して、どれくらい血糖が下がるのか、下がらないのかといったことを数日は検査します。

 この検査に伴い、数時間おきに採血して血糖を測定します。何度も猫ちゃんを保定して採血をするので、おそらく猫ちゃんもストレスに感じるのではないかと思います。

 治療のため仕方がないこととはいえ、血糖測定をもっと楽にできたらネコちゃんにとっても病院にとってもハッピーなはずです。

 猫ちゃんのストレスを減らす血糖測定の方法として、当院でも1年ちょっと前から適応を慎重に吟味して、FreeStyleリブレ(フリースタイルリブレ)を使用しています。ちなみにワンちゃんにも使用することができます。FreeStyleリブレ自体はふつうにアマゾンでも購入できるような商品です。

↑この大きなスジャータみたいのがセンサーパックです。スジャータみたいなものをスジャータみたいに開けると、センサーが入ってます。右の物体がセンサーを取り付けるアプリケーターです。

 FreeStyleリブレを使用すると、猫ちゃんの体にピッとするだけで血糖値がわかってしまいます。SuicaのようなICカードで改札を通る感じで血糖値を測定できます。これならだれでもすぐに血糖値が測定できます。

 猫ちゃんの体に500円玉くらいの大きさのリブレセンサーを設置するという処置は必要になりますが、一度設置すれば2週間かんたんに血糖値が測定できます。

 設置には多少のコツがいりますが、とくに設置に苦痛はないように思います。猫ちゃんが肘を曲げてもあたらない場所で肋骨がない場所に設置しています。下処理として、剃毛、消毒、すぐに外れないように被膜スプレーの塗布をおこないます。けっこう下処理が重要な気が私はしています。

 あとは、スタンプを押す感じでポンとすればリブレセンサーの装着完了です。猫ちゃんにまったく痛みはないようです。装着後のセンサー保護のために猫ちゃんに服を着てもらうこともあります。

↑当院で装着後の猫ちゃん。もうすこし剃毛エリアを狭めることも可能かもしれません。装着中、装着後も大きなストレスはないようには見えます。 

 装着後は、リブレリーダーでピッとした時の血糖値と、採血して測定した血糖値に差がないことを必ず確認しています。実際、両者に大きな差がないことがほとんどです。

 猫ちゃんはちょっとした興奮でも血糖値が上下する動物なので、

ほんとにリラックスした時の血糖値を知ることができる!しかも家庭で!かんたんに!

というのがめちゃ大きなメリットです。FreeStyleリブレは、猫ちゃんのストレスをかなり減らしてくれます。

 血糖値推移のグラフもリーダーが細かく自動で作成してくれるので、獣医師にとっても非常にメリットがあると思います。インスリンの作用時間、効果を客観的に判断できる材料になります。

↑こんな感じでグラフを自動で書いてくれます。血糖コントロールの状態もわかります。 

 いいこと尽くめのようなFreeStyleリブレですが、もちろん欠点もあります。その適応は厳格に考えないといけないと思うし、リブレの使用法も多少癖があると思います。1年程度使用してFreeStyleリブレの利点欠点もいろいろわかってきました。欠点というより使い方のコツみたいなものがあります。

 私が最近感じているのが、すべてを知ることが果たしてよいことなのかどうか?ということです。あまりに細かくかんたんに血糖値がわかるために生じる困難も多少感じています。具体的な事例は割愛しますが、便利メーターを振り切ったところにある不便みたいなものがあるようなないような。そのへんも含めてオーナー様にお話しさせていただいた後に適応の可否を判断しています。

 とはいえ、ネコちゃんのストレスをかなり減らせる武器の一つだと思うので適応を考えながら使えば非常に有用だと思います。

2021年01月31日