ネコの甲状腺機能亢進症

ネコちゃんの甲状腺機能亢進症のお薬

 比較的高齢の猫に多い甲状腺機能亢進症。当院では「よく食べている割に体重が減っている」という主訴で発見することが多いと思います。

 甲状腺機能亢進症の内科治療として、獣医師のきちんとした管理のもとでメルカゾールという薬を使っています。メルカゾールは人体薬なので、獣医師の裁量権で適応外使用していました。

↑糖衣錠のメルカゾールさん。その名前からもボール球はかんたんに振らなさそうです。

 このメルカゾールは、とにかく分割が困難です。割りづらい。ネコでは1/2錠、1/4錠で使うことが多いのですがきれいに割るのが難しいです。まさしく糖衣錠の宿命です。メルカゾールは当院の薬分割エースの登板をもって各症例の薬を用意しています。3番フラジールを内野ゴロに打ち取れる球をもち、4番リフレックスを8分割ショートライナーにもっていけるスタッフに必ず登板してもらっています。

 ところが、ついに動物用薬として抗甲状腺薬が発売されることが決定しました。私は2日前に知りました。ネコちゃんのために作られたお薬なので、ネコちゃんファーストな薬です。ネコちゃんが飲みやすくつくられているので投薬も今よりは楽になりそうです。適応外使用ではなく、猫用に承認された薬を使えるようになります。分割の苦労も過去のものになりそうです。

↑新しいお薬、チロブロックさん。チロシンをブロックするというわかりやすいお名前。

 今後も動物薬としての内分泌薬が充実していくといいなと思います。


↑「続 ネコの甲状腺機能亢進症」はこちらです。

↑「そしてまた、ネコの甲状腺機能亢進症」はこちらのページです。

↑「久しぶりに、甲状腺機能亢進症」はこちらのページです。

↑最新の読みやすい記事です。

猫の情報
2021年01月15日